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気になった点、腑に落ちない点、疑問点などを一話ごとに挙げています。
全体を読んでの感想はこちら




「草取り」

○ 草はなぜ生えるのか?
草取りをしている男は
作用反作用の法則を使って草が生えるのは逆方向の力だと説明していた。
となると元となるモノを押す力というのは人間の邪な行動なのだろうか。
毎日を大事に生きていれば草は生えないと男は言うが、
一般人は草の存在さえ知らないのだ。
草の存在が世界の破滅につながるのなら常野だけが戦うのもおかしな話。
見えない人に話しても頭がおかしいと思われるが、
この話の主人公のように特殊な双眼鏡を使って見るうちに目が慣れて
双眼鏡なしでも見えるようになるのであれば、みんなに見せればいい話。


○常野は自分達の能力を隠すのではないのか?
この話の主人公は草取りをする男を取材しているようだ。
よって常野一族ではなないらしい。
常野は自分達を守るために 能力を隠すのではないのか。
取材を受け入れるのは矛盾している。

また、この話は二人が待ち合わせる場面から始まっている。
主人公がどのようにして「草取り」を知ったのか、
どのようにアポイントを取ったのかが明らかにされていない。
常野を常野と知らずに接触するのは簡単だろうが、
知っていて接触するのを許すのはどういった理由からなのだろう?


○常野は何人いるんだ?
男の呼びかけで10人くらいがすぐに集まっている。
みんながビル清掃会社にでも勤めていないとすぐに集まるのは難しいだろう。


○常野はどんな手段を使ってビルにぶら下がるのだろう?
パッと見、ビル清掃にしか見えないと言うが、
ビル清掃業者を装ったにしても
草の生えているビルを見つけてすぐに作業に入れるのもおかしな話。
ビルの清掃会社なんてそれぞれ決まっているものだろう。
飛び込みの業者にビルを清掃させてくれと言われて
すぐにやらせるビル管理者がいるとも思えない。
不思議な話だ。
それとも全国のビル清掃会社が全て常野一族なのだろうか?


○「草取り」に出てくる人間に生えているツタやシダと
「オセロ・ゲーム」に出てくる植物は同種のものなのか?

作中では明かされていないが、
シダという同じ言葉を使っている以上、何らかのつながりが感じられる。
「オセロ・ゲーム」 に出てくる”裏返す”能力は
「草取り」で人間に生え始めた草を除去するために生まれたものなのだろうか。
植物の側も対抗するために同じ能力を持ったのだろうか。


○草が双眼鏡で2,3個見るだけで目が慣れて見えるようになること
そんな簡単に見えるようになっても草を取り除く力がないと
見えるはずのものが見えなくなって日常生活に支障が出る。
一般人にとっては見えるようになってもいいことなどない。


○草の影響
男は草を取らなくても表面上は何も起きないと言うが、
直後に、草をなめてはいけない、いつの日か我々を絞め 殺す、と言っている。
結局、何が起こるのだ。
またかつては何かが起こったから悪い結果になることを知っているのだろうか。
だとすればはじめに、表面上は何も起きない、と言うべきではない。




「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評7 に続く


「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評1 全体の感想

気になる点など
「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評2 「大きな引き出し」 
「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評3 「2つの茶碗」
「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評4 「達磨山への道」
「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評5 「オセロ・ゲーム」「手紙」「光の帝国」「歴史の時間」
「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評6 「草取り」
「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評7 「黒い塔」「国道を降りて」、全体を通して


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