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「最後の恋 つまり、自分史上最高の恋新潮文庫
阿川佐和子、角田光代、沢村凛、柴田よしき、谷村志穂、乃南アサ、松尾由美、三浦しをん

最近のマイブーム、オムニバス形式の短篇集。
全体的に良かった。読んで損はない佳作と言える。

既読作者は角田光代、乃南アサ。
阿川佐和子は対談集のみ既読。
三浦しをんは「まほろ駅前多田便利軒」を読みたいなぁと思っているだけで未読。
他は名前も知らなかった。

角田光代は直木賞受賞作「対岸の彼女」含め数冊既読。
「八日目の蝉」は小説未読、映画、NHK制作のドラマは共に見たが、あまり惹きこまれなかった。
総じて彼女の作品は肌に合わないようだ。
今後も積極的には読まないだろう。

乃南アサに関しては、直木賞受賞作「凍える牙」から始まる音道貴子シリーズは必読の価値あり。
他にも高木聖大シリーズのように軽めの作品もある。
私が読んだ限りでは、ハズレのない作家である。



目次
「春太の毎日」           三浦しをん
「ヒトリシズカ」     谷村志穂
「海辺食堂の姉妹」    阿川佐和子
「スケジュール」    沢村凛
「LAST LOVE」         柴田よしき
「わたしは鏡」      松尾由美
「キープ」          乃南アサ
「おかえりなさい」     角田光代

※掲載順に感想を更新していく予定。
更新し次第、それぞれの感想へリンクをつける予定。


以下ネタバレありなので未読の方は御遠慮ください。









「春太の毎日」 三浦しをん
犬目線で語られる飼い主の女性の生活と、その女性に恋する犬の気持ち。

短篇集の冒頭を飾る作品としてはやや変化球だが、
ストーリー展開としては特に意外性はない。

本作で犬の春太が述べている通り、
確かに犬の寿命は確実に人間より短いから、仮に人間に恋をすれば、
自分の方が先に死ぬことになる。

切ないといえば切ないが、それほど感傷的にもなれない。
私が犬を飼ったことがないからだろうか。

直木賞受賞作家の作品だったが、
ひねりのない軽めの作品で肩透かしを食らった。
他の作品を積極的に読む気にはなれなかったなあ。


以上、追記なし。
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読む本がなくなりそうだったので久々にブックオフ行って仕入れてきました。
全て105円です。


中島らも「中島らものたまらん人々」 徳間文庫

生前にテレビで見かけた時は何だか無茶苦茶な人だなぁと思っていたのですが、
著作がおもしろいらしいという噂を聞いて「寝ずの番」を試しに読んだら、
ほんとにバカバカしくて面白かった。映画化したそうなのでぜひ見てみたいです。
他に「ガダラの豚」がおもしろいらしいのですが、古本屋でまだ発見できてません。

本作は、中島らもが子供の頃からサラリーマン時代までに会ったヘンな人々について
書かれた本です。抜群にバカバカしいと期待しています。


歌野晶午「葉桜の季節に君を想うということ」 文春文庫

歌野晶午は未読なのですが、どこかで綾辻行人の「十角館の殺人」に並ぶ衝撃を受けると
読んだのでミステリ好きとしては外してはいけないのかな、と思い購入しました。
人気があるらしいので105円コーナーで発見した時にはちょっとビックリましたね。
田舎なんで知名度ないんでしょうね。


高野和明「幽霊人命救助隊」 文春文庫

高野和明は「13階段」がおもしろかったので買ってみました。
分厚いので読む時は気合入れないとダメですね。


日本文藝協会編 「短篇ベストコレクション 現代の小説2005」 徳間文庫

22人の作家の短編が収録されています。
最近、こういういろいろな作家の作品が収録されている短編集を読むのが好きです。
名前は知っているものの読むまでには至っていない作家の作品が読めるのが楽しみです。


乃南アサ「ボクの町」「駆けこみ交番」 新潮文庫

どちらも交番勤務の警察官・高野聖大シリーズです。
「鼓動-警察小説競作」で「駆けこみ交番」に収録されている「とどろきセブン」を読み、
タッチが軽くて読みやすかったので買いました。
音道貴子シリーズとはだいぶ違いそうです。


大沢在昌 「毒猿 新宿鮫Ⅱ」「屍蘭 新宿鮫Ⅲ」「氷舞 新宿鮫Ⅵ」 光文社文庫

昔々に「新宿鮫」を読んだ時にすごくおもしろかった覚えがあるのですが、
「アルバイト探偵」シリーズが不発だったので、大沢在昌を見極める意味で買いました。
「氷舞」は4作目かと思ったら6作目でしたね。Ⅰの左右を間違えました。
あまり順番にこだわらなくてもいいかもしれませんが、できれば順番に読みたい性質なので
「氷舞」は後で読むかもしれません。


有栖川有栖、篠田真由美、二階堂黎人、法月綸太郎 「「Y」の悲劇」  講談社文庫

エラリー・クイーンの「Yの悲劇」に捧げる4人の競演です。
エラリー・クイーンは「十角館の殺人」をきっかけに名前だけは知っていますが
作品は読んだことがないんですよね。海外の作品はあまり触手が伸びません。
「Yの悲劇」を先に読んだ方がいいのかな。まあ、気にしないことにします。


若竹七海「船上にて」「海神の晩餐」 講談社文庫

大好きな北村薫の流れを汲む作家ということで、最近少し読んでいます。
「サンタクロースのせいにしよう」「火天風神」「ヴィラ・マグノリアの殺人」「古書店アゼリアの死体」が既読です。
この中では「サンタクロースのせいにしよう」が良かったかな。
「火天風神」はいまいち印象に残ってません。
あとの2作は同じ街を舞台としたシリーズものといっていいと思うのですが、
やや後味が悪いというか、スッキリしないラストなんですよね。
なので、若竹七海も今回の2作で見極めるかもしれません。


基本、上から順番に読んでいくつもりです。
この夏はこれでたぶん間に合いそう。
 
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 読む順番を間違えてしまった。
 

音道貴子シリーズ長編第1弾、直木賞を取った傑作長編凍える牙
短編集第1弾、花散る頃の殺人
と読んだところで、このシリーズがおもしろいことが確定したため、
古本屋で見つけたシリーズの他の作品をまとめ買い。

 
順番に並べたつもりでいたので、何気なく上から読んだら、一つ飛ばしてしまったようだ。
「未練」の前に長編第2「鎖」があったのに気づいたのは解説を読んだ時。
ただし、作品中の時間軸で考えると「未練」の途中に「鎖」が入っているらしい。
さらに、このシリーズは長編と短編でだいぶ趣が違い、
短編では音道のプライベートにより重きを置いているので
この程度順番を間違えてもそれほど被害はないはずだ。




………そう願いたい。

 

本作には6編の短編が収められている。
幅の広いラインナップだ。

事件がメインの「立川古物商殺人事件」「聖夜まで」

プライベートがメインの「未練」「よいお年を」

「立川古物商殺人事件」の後日談でもあり、音道がコンビを組んだ島本が主人公の「殺人者」

そして、音道がある事件で精神的に落ち込んだ状況から復活する過程を描く「山背吹く」

 
率直に言って、すごくおもしろい作品ではない。
解決を迎えない事件あり、救われない話あり、
で読後感がスッキリ爽やかなわけでもない。

人生いいことばかりあるわけではないが、
小さな幸せを噛みしめ生きていく音道や島本の姿を味わうための作品である。

 

 以下、ネタバレあるので、御了承の上お進み下さい。

 

 
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気になった点、腑に落ちない点、疑問点などを一話ごとに挙げています。
全体を読んでの感想はこちら



「オセロ・ゲーム」
○ 何のために“裏返し”合っているのか?
敵はシダ植物を中心に植物の形態で現れるようだが、
“裏返す”能力を持つ常野一族のみを狙って襲ってくるのだろうか。
ここでは一家族のみしか描かれていないのでわからない。

また、裏返されると姿を消してしまうようだが、
存在が消えてしまうのかどこかに連れて行かれるのか現時点ではわからない。
主人公・暎子の旦那は娘の時子の言葉によれば
「知らないおばあさんが来て、私を置いてお父さんとどこかに行っちゃった」のだ。
これだけでは裏返された瞬間に消えるのか、裏返されたら捕虜になるのか判断できない。

また暎子が出会った”イチゴ頭”も時子に裏返されたら普通のおばさんに戻ったので、
敵となる人間がいるわけではなく、寄生しているようだ。


○ 拝島家の能力は裏返すだけなのか?
一般人には見えないものが見えて、それと戦うだけの能力しかなく、
裏返されたら消えてしまうのならば、その能力は人生を苦しくさせるだけで何もメリットがない。
常野の中でも厳しい人生を送る宿命である。


○ ここでも夫婦が同じ能力である
ここでも理由が明かされていないが、
ここでも娘の能力が目覚めているので常野の超能力は100%優性遺伝であることが推測される



「手紙」
○ 達磨山を訪れた寺崎が重要そうな場面は一切見ていないこと
寺崎が人生に転機にないからか、婆さんとツル先生に会っただけであった。


「光の帝国」
○ 分教場の人々が皆殺しにされる理由がわからない
“ナガレ先生”と呼ばれる男が送り込まれたのも
元々は軍の実験に常野の子ども達を協力させるためで、
後に現れた軍人も「おとなしくついてくれば何も危害を加えることはない」と言っている。

確かに信太郎が幾人も焼き殺してしまったからおとなしくはしていないが、
だからと言って大勢で取り囲んで餓死させたり罠を仕掛けたりしなければならなかったのだろうか。
軍の目的を考えれば、生け捕りにするのが最善の結果に考えられるし、
敗色濃厚の戦局において兵士の無駄死に、武器の無駄遣いは最も避けるべきことに思われる。

信太郎がいる限り攻略が難しいことはわかりきっており、
速やかに退却して別の常野を探すのが得策であるし、
何らかの方法で信太郎が死んだことを確かめられれば
他の人間は殺さずに捕らえることが可能だったはず。

だいたい常野の能力を利用したからといって劇的に戦局を挽回できると軍部は考えたのだろうか。
以上のことを鑑み、利用できない常野を殺す理由が私にはわからなかった。


「歴史の時間」
これは腑に落ちないというよりは何のための話かよくわからなかったというのが正直なところ。
春田家の記実子と後の話でも登場する亜希子が高校時代に出会っている話。
亜希子に常野一族の歴史を教えるエピソードだったのだろうか。
この話だけで読んだら全くもって理解不能だっただろう。
 

「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評6 に続く


「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評1 全体の感想

気になる点など
「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評2 「大きな引き出し」 
「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評3 「二つの茶碗」
「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評4 「達磨山への道」
「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評5 「オセロ・ゲーム」「手紙」「光の帝国」「歴史の時間」   
「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評6 「草取り」
「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評7 「黒い塔」「国道を降りて」、全体を通して


 
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気になった点、腑に落ちない点、疑問点などを一話ごとに挙げています。
全体を読んでの感想はこちら




「達磨山への道」
○ 常野一族はみなおっとりした物静かな性格なのか?
そういう記述があるが、血のつながりがあっても性格なんて
てんでバラバラなのにみんな同じような性格であるわけがない。
それとも能力を隠し、存在を目立たせないように、
意識して演じた結果、外部の者に同じような印象を与えたのか。

だが、常野一族という名前が知られるほど世間に情報があるのであれば、
政府やマスコミが放っておくわけがないように思える。
存在が世間に認識されているのであれば、性格まで演じる必要はないように思える。


○人生の転機にある人間が達磨山を訪れると、重要な局面が目の前にあらわれるらしいが、
いつどこなのかがわからなければ見えても仕方が無いのではないか。

事実、泰彦の父親は親友と妻が事故にあった後に自分が見た場面を理解したのだから。
ただし、この時に靴しか見ていないのが腑に落ちない。
泰彦の場合のように人の姿が見えていれば、
親友と妻が出会うのを避け続けることができたからだ。

泰彦など会話までできている。
まだ生まれてもいない少女とだ。


○ 原因不明の行方不明者が出るような山に人生の転機だからと出かけるか?
普通に考えれば迷いようがない山らしいが、
そんな山で4人の女性が消えたのだから余計に不気味だ。
私なら行かない。

この行方不明事件は「手紙」でも触れられているが、謎は明かされていない。
続編で明かされるのだろうか。


○ 泰彦の父親は親友と三角関係で気まずい時に二人で山に出かけているが、それってアリ?
いくら親友とはいえ、恋愛が絡むとどうしようもなく気まずくなる。
サシで飲むならまだしも、山なんて絶対行かないよ。
二人とも恋愛より友情の回復を優先したんだね。


○ 人生の重要な局面なんて一つではない
最重要の場面が現れるのだろうか。
だとすると泰彦の父親に靴しか見えなかったり、
親友と元同棲相手の娘が見えるのは おかしい。
そんなの見えてもどうしようもないからだ。

父親の場合、妻との関係が最重要ならば
距離が離れるきっかけや親友が妻を連れて家を出る場面が見えるべきであるし、
泰彦の場合は、山に出かけた時点でもう同棲相手は出て行った後なのだから、
見えるとすれば、その後に関係を修復できる 場面になるだろう。


○ ナップザックの紐を歩きながら後ろから結ぶ、という光景がどうしても想像できなかった
ここで登場しているナップザックは、巾着袋のような形態だと思うのだが違うだろうか?
他の携帯のザック類にしても歩きながら後ろから結んだり短くするよりも
立ち止まって自分で行う方がはるかに簡単に思えるのだがいかがだろう?


○ 高校時代からの親友の名字を忘れるか?
高校時代なんて授業の度に出欠を取られる。
また名簿も何度も作られる。
同じ高校で過ごした親友の名字を忘れるなんてありえない。
外国で出会ったなら名前だけで呼び合うから
日本人同士でも名字を知らないことはあり得るが、国内ではありえない。
しかも”鷹羽”なんて珍しい名字を忘れるわけがない。


「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評5 に続く



「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評1 全体の感想

気になる点など
「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評2 「大きな引き出し」 
「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評3 「2つの茶碗」
「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評4 「達磨山への道」
「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評5 「オセロ・ゲーム」「手紙」「光の帝国」「歴史の時間」  
「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評6 「草取り」
「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評7 「黒い塔」「国道を降りて」、全体を通して


 
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気になった点、腑に落ちない点、疑問点などを一話ごとに挙げています。
全体を読んでの感想はこちら



「二つの茶碗」

○美耶子が見えた未来は変えられないのか?
美耶子が初対面の人が悪事をしでかすことがわかるなら、
店から追いだして終わりにするのではなく、
一族で協力するなりして止めるべきではないだろうか。
それとも何をどうやっても未来は変えられないのだろうか。
だとすると、未来が見える能力というのはとても悲しい能力だと私には感じられる。

何か目標を持った時に結果がわかったら、果たして人は努力するだろうか。
いい結果にせよ、悪い結果にせよ、見えた未来が変えられないなら私はきっと努力しない。
そして、どうにかして結果が見えないものを探し続けるだろう。
未来が見える能力などあっていいことなどないように思われる。


○ 美耶子はなぜ三宅篤に惚れたのか
理由が書かれた部分がない。
三宅篤が将来何か大きなことをするのが見えたようだが、
それが理由で惚れたのであれば、浅はかという他ない。
幼い頃にこの店にいる三宅の姿を予見していたようだが、
もし仮に自分がいつか結婚する相手がわかったとして、
その相手に出会った瞬間に惚れるものなのだろうか?
三宅と出会う前の恋愛経験はどうだったのだろう?
社会に出てからすごく好きな人と出会っても、この人とは結婚しないんだな、
と思ったら気持ちが冷めてしまうのではないだろうか。

逆に、その感情の動き、動くタイミングまで予見できてしまったら、
人生がつまらないことこの上ない。

美耶子にはどの程度、未来が見えるのだろうか。
かなり具体的に見えた記述もある。
1ヶ月後の焼身自殺、当日のバス事故である。
インチキ占い師みたいに漠然としたものではないらしいが、
見る時見ない時のコントロールはできないのだろうか。
会う人会う人いちいち未来が見えてたら身がもたない。
自分でコントロールできないなら超能力などいらない。


○ 未来が見えなくなった理由
きっかけとして三宅篤に惚れたことは描かれているが、
それが直接見えなくなった原因とは書かれていない。
また、結婚後にまた見えるようになっているが、これも理由が書かれていない。
短編だから書くスペースがないのかもしれない。できれば 続編で触れてほしい。


「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評4に続く。



「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評1 全体の感想

気になる点など
「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評2 「大きな引き出し」 
「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評3 「2つの茶碗」
「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評4 「達磨山への道」
「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評5 「オセロ・ゲーム」「手紙」「光の帝国」「歴史の時間」
「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評6 「草取り」
「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評7 「黒い塔」「国道を降りて」、全体を通して


 
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気になった点、腑に落ちない点、疑問点などを一話ごとに挙げています。
全体を読んでの感想はこちら



「大きな引き出し」
○ 記憶は消去できないのか
“しまう”ことについては書いてあり、絶対に忘れないらしいが、
その記憶を意識的に消去できるかどうかについての記述がなかった。
飽和状態になった時に「虫干し」をして記憶は整理して引き出しやすくなるらしいが、
それでもいつかは限界が来ないのだろうか。

また、たくさんの人、しかもおそらくもうすぐ死ぬ人の記憶をしまい続けるということは
自分の人生に関する記憶が占める割合がとても小さくなってしまう。
上手にしまって必要な時以外は出てこないのならばいいが、
そうでなければ他人の記憶が頭の中に居座り続けるなんてやっかい極まりない。
他人の人生の色と音が頭の中で勝手に響きまわるなんて耐えられない。
能力は有益かもしれないが、その役目は御免こうむりたい。


○ 春田家は何のためにしまっているのだろう?
常野一族でもうすぐ亡くなる人がいる時に、しまいに行くのだろうか?
だとすると、一族全ての記憶をしまう必要があるのだろうか?
また、しまった人が亡くなる時に、また別の人がしまいに行ったら、
一気に莫大な量をしまわなければならず、
そんなことを繰り返していたら
春田家の子孫はただ人の記憶をしまうだけの人生になってしまう。
どこかではっきりと書いてほしい。


○ 日本各地を転々としている理由
ただ単に話を聞いてまわるだけなら引っ越す必要を感じない。
子どもがまだ小さいなら他の常野一族と協力してどこかに拠点を作って
親だけ必要な場所へ出張すればいいし、
夫婦揃って同じ地域で仕事をする必要があるほど”しまう”需要があるのだろうか。


○なぜ母親も同じ能力を持っているのか?
能力の何らかの伝達手段があるのだろうか?
同じ能力を持つ者同士でしか結婚できないのかと思ったが、
次の「二つの 茶碗」では常野一族ではない男性と結婚しているので、違うらしい。
しかし、「オセロ・ゲーム」ではまた夫婦で同じ能力を持っている記述があるので
「二つの茶碗」はレアケースなのだろうか。
本作の中でいくつもの家族を描いているのだから、
この点については本作中に触れておくべきだったと思う。

 


「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評3 に続く


「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評1 全体の感想

気になる点など
「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評2「大きな引き出し」
「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評3 「二つの茶碗」
「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評4 「達磨山への道」
「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評5 「オセロ・ゲーム」「手紙」「光の帝国」「歴史の時間」
「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評6 「草取り」
「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評7 「黒い塔」「国道を降りて」、全体を通して


 
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「光の帝国  常野物語」  恩田陸  (集英社文庫)


超能力ものは現実離れし過ぎる感じがしていつも敬遠する私ですが、
背表紙に

"不思議な優しさと哀しみに満ちた、常野一族をめぐる連作短編集" 

とあったので
超能力者が大活躍する話ではないな、と思ったのと、
最近、短編集が好きなのとで買ってみました。

恩田陸は「夜のピクニック」の他にも数冊読んだ気がします。
基本、私好みではないな、という印象を持っています。

本作は、というと、なかなか良かったですよ。
5段階評価で3といったところでしょうか。

10編あるのですが、良かったのは「大きな引き出し」「国道を降りて・・・」

「大きな引き出し」は何でも記憶できる春田家の話。
第1話目として読者を引き込む役目は十分に果たしています。


「国道を降りて・・・」は私が一番好きな作品。
ここに登場する律という男声はチェロ奏者なのですが、
私は個人的に超能力はこういう芸術の分野で生かしてほしいと思います。

ちょっと伊坂幸太郎の作品に似た雰囲気を感じました。
美咲みたいなしごくまともな主人公と
律のようなちょっと不思議な友達が出てくるんですよね。

この話は超能力を持った音楽家というのと二人の性格の設定が秀逸なので、
これを原作として話を広げてドラマ化したらおもしろいものができると思います。


「大きな引き出し」を原作としたドラマはかつてNHKが作ったようで、
同じドラマDモードの鈴木亜美小西真奈美が出てた「深く潜れ」は見た記憶があるので、
もしかしたら見たかもしれないのですが記憶にありません。
ただホームページを見た限りでは
タイトルがなぜか「光の帝国」で春田家の家族構成以外はかなりオリジナルなので
原作とは全く別の雰囲気になっていると思います


著者もあとがきで述べているとおり、
一つの家族に絞った連作集でも良かったのでは、と私も思います。
10編もあり、いくつか登場人物は重なっているものの
各話ごとに別々の常野一族が主人公となっているので
本作だけではそれぞれについて描ききれていないので消化不良に終わってしまいます。
続きがあるのだろうと思いながら読んだものの、
本作の中だけでももう少し人物を絞っても良かったのでは。

読み終えてからWikipediaでチェックしたところ、
「蒲公英草紙」「エンド・ゲーム」と2作もの続編があるので、発見次第購入したいと思います。
私は特に1話目の「大きな引き出し」の春田光紀がその後どのように成長したかが気になるので、
続編で読めることを期待しています。


他にも超能力者の悲哀を味わいたい方は、
宮部みゆき「クロスファイア」やその前段と言える「燔祭」(「鳩笛草」収録)がオススメです。
最近、「世にも奇妙な物語」「燔祭」広末涼子主演でドラマ化されましたね。
広末も良かったですが、矢田亜希子の方が眼力が強かったなぁと私は思います。


続きは本作を読んで気になった点、腑に落ちない点、疑問点などを挙げていきます。
既読の方のみお進みください。
決して本作を否定したいわけではなく、とにかく気になることを挙げているつもりです。
細かすぎると感じる人もいるかもしれません。

また、本作のファンの方はもしかしたら不快に思われる方もいるかもしれません。
よって、続きを読む方はその点を御了承の上進んで下さい。
もし、ご意見がある方はコメントいただけたら嬉しいです。



「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評2 に続く。



気になる点など
「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評2 「大きな引き出し」
「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評3 「2つの茶碗」
「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評4「達磨山への道」
「光の帝国 常野物語」 恩田陸 書評5 「オセロ・ゲーム」「手紙」「光の帝国」「歴史の時間」

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 「神南署安積班」 今野敏    (ハルキ文庫)

Amazonで横山秀夫の作品を評価したらオススメに入ってきて以来、
気になっていた安積班シリーズ
シリーズを通して初めて読むのでかなり期待していました。

とにかくものすごく読みやすいのですぐに読み終わります。
一つ一つも短いのでトイレで読むのにいいなぁ、
と思っているうちに読み終わってしまいました。

横山秀夫のような緊張感があって、意外性のある展開なのかな、
と思っていたら全然違いました。

短めの短編が9つ。
トリックやサスペンスではなく、
登場人物たちのキャラクターを楽しむタイプの小説ですね。
とてもライトで、ドラマになっているのを知っているからか、
連続ドラマを見ているような気になりました。

シリーズ全体がこういう雰囲気なら
他に読みたいものがない時に読むって感じになるかな、と思ったのですが、 
解説を読んだらシリーズ初の短編集で、
どうやら特殊なものから読み始めてしまったようです。
ただ、この作品から読んでも全く問題なく、
一つ一つの作品ごとに安積班の面々や交通課の速水のキャラクターが
紹介されていくのを楽しめました。


村雨須田に比べて黒木桜井の描かれる部分が少なく、
特に黒木はセリフもほとんどなかったので
ちょっとキャラがつかみきれず、逆に気になりました。
"一流のスポーツ選手を思わせる" とあるのですが具体的に描かれる場面もなく、
とにかく冷静なキャラなのがわかるだけで、
どの辺がスポーツ選手っぽいんだぁ、と気になって仕方がありません。
また一流のスポーツ選手と言ったってさまざまなタイプがいるだろうし、
わざわざ登場人物紹介に記述しなくてもいいのではないか、と思いました。
まあ他の作品を読んだらわかるのかもしれませんね。


ドラマの方は見ていないのですが、ドラマ化しやすいだろうなぁ、と思います。
本作に関しては脚本いらないんじゃないかと思うくらい。

ドラマのホームページを見たらキャストがイメージと違っていてちょっとガッカリ。

安積佐々木蔵之介だということだけは知っていたので、
安積は蔵之介さんの顔を思い浮かべながら読みました。

速水絶対に北村一輝
ちょっと「ガリレオ」にイメージが引っ張られているかもしれませんが、
上司に媚びず、部下の人望が厚いイメージにピッタリ。
どこかで制服警官の役してましたっけ?

村雨は36歳ですが40過ぎに見えるくらい渋いイメージだったので中村俊介はないなぁ
もっとゴッツいイメージです。

須田塚地武雅でもいいですが、もっと背が高いイメージですね。
178cmくらい。ちょっとずんぐりした感じ。

黒木はなぜか背が低いイメージでした。
65cmくらい。俳優はイメージできませんでしたが。
賀集利樹は桜井の方が合うなぁと思います。

桜井は180cmくらいでガッシリしたイメージがあったのですが、
情けない場面もあったのでガッシリはしていないのかな。
でも山口翔悟ではないでしょう。

黒谷友香が出演しているのは知っていたので、
女性刑事がいなかったので黒木を女性にしたのかな、
と思っていたら違いましたね。
たぶんオリジナルキャラなのですね。

安めぐみ山口由紀子を演じているのには驚きましたね。
あんなにホンワカしている安さんが妖艶で魔性の女っぽい山口を演じているとは。
黒谷友香の方が雰囲気は近いと思うのですが。
菊川怜なんていかがでしょ。
とりあえず、演技している安さんを見た記憶がないので、今度の放送を見てみようかと思います。

この次の作品から新ベイエリア分署に舞台が移るようなので、
まずは旧ベイエリア分署と残りの神南署ものを読んでしまいたいと思います。


 
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「ハナシがちがう! 笑酔亭梅寿謎解噺」  田中啓文

ひさびさの掘り出し物。
ブックオフで発見。
全くのノーマーク。

105円コーナーを流していたら、
ふと目について落語家の話なので物は試しと買ってみたら、おもしろかったです。

ヤンキー少年がひょんなことから落語家に弟子入りするいう設定は
少年ジャンプにでも載ってそうなものですが、
話のテンポがよくとても読みやすいです。
短編というのもいいのかもしれません。

落語を元ネタにした構成は「タイガー&ドラゴン」を思わせますが、
こちらの方が先に書かれていたよう。

二番煎じに思われるかもしれませんが、これもドラマ化しても良いかも。
ドラマ10なんかでいかがでしょう?

続きが読みたいですが、古本屋にはあまりなさそう。
ブックオフオンラインを初利用してみようかな。



 
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